[[Neptune]]

*トリトン
#contents

海王星 I

**トリトンに関する事実
トリトンは 海王星の7番目の衛星で、海王星の衛星の中では飛び抜けて大きいです:
 海王星からの距離:354,760 km
             直径:2700 km
             質量:2.14e22 kg

1846年、 ラッセルにより、海王星自体の発見からわずか数週間後に発見されました。

ギリシャ神話では、[[トリトン:http://www.pantheon.org/articles/t/triton.html]]は海の神で、ポセイドン(ネプチューン)の息子です;普通人間の頭部と胴体を持ち、魚の尾を持つ姿で描かれます。

トリトンを訪れた観測衛星は1989年8月25日の ボイジャー2号だけで、 我々がトリトンに関して持っている知識のほとんどはその時に 得たものです。

トリトンの軌道は 逆向きです。 大きな衛星の中で「逆行」しているのはトリトンだけです。 その他の逆行している衛星は[[木星:Jupiter]]の衛星、[[アナンケ、カルメ、パシフェ、シノペ>Jupiter's Outer Moons]]と [[土星>Saturn]]の衛星の[[フェーベ>Phoebe]]ですが、どれも直径がトリトンの1/10位しかありません。 トリトンがこのような構成で原初の 太陽星雲から 凝集して生まれたとは考えられません; どこか他(カイパー・ベルトで?)で 作られ、後になって[[海王星>Neptune]]に捕捉されたに違いないのです。 どのようにしてそんなことが起きたのかを示す、信用できる 機構はまだ提示されていません。しかし「捕捉説」ならば トリトンの軌道だけでなく、[[ネレイド>Nereid]]の奇妙な軌道を説明する ことができ、トリトンの内部を溶かし、分化させるのに必要な エネルギーを提供することもできます。

逆向きの軌道のために、海王星との潮汐力がトリトンのエネルギーを 奪い、軌道が低くなって(また海王星の自転が早くなって)きています。

トリトンの軌道の奇妙な特徴、トリトンと 冥王星の内部構成の類似性、非常に 偏心星で、海王星の軌道を横切る冥王星の軌道などは、これらの星の あいだに、なにか歴史的なつながりがあることを示唆しています。 それが実際はどんなものかは、現時点では推測にすぎません。

トリトンの自転軸も奇妙で、[[海王星>Neptune]]の軸(それは海王星の軌道面から30度傾いている) から157度傾いています。これらを合成すると、[[太陽>The Sun]]とトリトンの位置関係は、太陽と[[天王星>Uranus]]の関係に近く、極地域と 赤道地域が交互に太陽に面することになります。二つの極が交互に太陽にさらされるのであり、これはおそらく激しい季節変化を もたらすでしょう。ボイジャー2号の接近時には、トリトンの南極が太陽に面していました。

トリトンの密度(2.0)は、土星の氷の月 (すなわち[[レア>Rhea]])より、わずかに大きい程度です。トリトンのおそらく25%程度は水で、のこりが岩石と思われます。

ボイジャーはトリトンに非常に希薄な大気 (約0.01ミリバール)を見つけました。 ほとんどは窒素で、微量のメタンが含まれています。この薄い大気は 5-10kmの高度まで広がっています。

トリトンの表面温度は38 K (-235 C, -391 F)で、冥王星と同じ位冷たいです。 この理由の一部は、高い アルベド値(0.7-0.8)のためで、太陽光線の ごくわずかしか吸収しないことを意味しています。この温度では、メタン、 窒素、二酸化炭素はみな凍って固体になっています。

クレーターはほとんどありません;表面は比較的若いのです。南半球のほとんどは 窒素とメタンの「氷冠」に覆われています (写真 4)。

トリトンの全表面には、山脈と峡谷が広範囲に、複雑なパターンでみられます。 これらはおそらく、氷結と融解の繰り返しによると思われます (写真 9)。

この興味深い世界でも、最も興味深い(そして全く予期していなかった)特徴は、 氷の火山です。 噴火する物質はおそらく表面下からの液体窒素、塵芥、あるいはメタンなどでしょう。 ボイジャーの画像の一つは、実際の噴煙を捉えており、上空8kmまで上り、 「風下」140kmまで広がっています(写真 3)。

現在、[[地球>Earth]]以外では、トリトン、[[イオ>Io]]、[[金星>Venus]]だけに活火山があることが知られています。 ([[火星>Mars]]は、明らかに過去に活火山がありました。) 外惑星の火山活動は、全く異質のものなのも興味深い点です。 地球と金星の噴火は、岩石物質が、内部の熱で噴出するものです。 イオの噴火は、硫黄と硫黄化合物が木星との潮汐活動で噴出するもののようです。 トリトンの噴火は、窒素やメタンなど、揮発性の強い物質が、太陽の季節的な加熱によって噴出するようです。

**トリトンに関するもっと詳しい情報
-[[ロスアラモス国立研究所(LANL):http://www.solarviews.com/eng/triton.htm]]から
-[[パサデナ・ジェット推進研究所(JPL):http://pds.jpl.nasa.gov/planets/welcome/neptune.htm]]から

**未解決の問題
-どのようなエネルギーが「氷の噴火」を起こしているのでしょうか?
ボイジャー2号は、トリトンをほんのわずかな時間観察しただけです。 他の季節はどのようになっているのでしょうか?
-どのようにしてトリトンはこんな奇妙な軌道に落ち着いたのでしょうか?
-トリトンと冥王星は共通の歴史をもっているのでしょうか? 冥王星は、かつては海王星の衛星だった-のでしょうか? それともトリトンは以前は独立の星で、後になって海王星に捕捉されたのでしょうか?
-われわれの生きているあいだに、別の海王星探査がおこなわれるでしょうか?