[[FrontPage]]

*&ref(saturn.gif,nolink);土星 [#j4452f06]
[[&ref(Saturn.jpg,nolink);:http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA05385]]
#contents

**土星についてわかっていること [#s1c82e60]
土星は[[太陽>The Sun]]から6番目の惑星で、2番目に大きい惑星です:
 太陽からの距離:1,429,400,000 km (9.54 天文単位)
       赤道直径:120,536 km; 両極直径:108,728 km
           質量:5.688e26 kg

[[ローマ神話:http://saturn.jpl.nasa.gov/education/pdfs/mythology_saturn.pdf]]によれば、土星は農業の神です。関連したギリシャの神、[[クロノス:http://www.pantheon.org/articles/c/cronus.html]]は、ウラヌスとガイアの息子であり、ゼウス(ジュピター:木星)の父です。「サターン(土星)」は、英語の「サタディ(土曜日)」の元となった単語です( 付録4を参照)。

土星は有史以前から知られています。ガリレオ が1610年に、初めて望遠鏡で観測しました;彼は土星の奇妙な姿に気づき、混乱してしまいました。初期の土星の観測は、土星が軌道を移動するにつれて、地球が土星のリング の平面を数年ごとに通過するという事実のために、複雑なものになりました。そのため、低い解像度で見た土星の姿は非常に変化が激しいものとなりました。1659年になって初めて、 クリスチャン・ホイヘンスが土星のリングの幾何学的構造を正しく推測しました。 1977年に[[天王星>Uranus]]、またほどなく[[木星>Jupiter]]と[[海王星>Neptune]]に薄いリングが発見されるまでは、土星のリングは、太陽系で唯一の構造とみられていました。

[[&ref(saturnb.gif,nolin);:http://www.solarviews.com/cap/sat/saturnb.htm]]1979年、宇宙探査機 パイオニア11号 が初めて土星を訪れました。その後に ボイジャー1号と 2号が訪れました。カッシニ は2004年7月1日に到着し現在探査してます。少なくとも4年間土星の周囲を回るでしょう。

土星は、小さな望遠鏡で見ても、明らかに平たくつぶれて見えます(写真10);扁平率は約10%(120,536km対108,728km)です。これは土星の速い自転速度と、流動体の性質のためです。

土星は、惑星の中で一番密度が低い惑星です;その比重は水より小さく、0.7です。(もし十分大きな池があれば、土星は水に浮かべることができるでしょう)。

木星と同じく、土星は75%が水素で、25%がヘリウム、そして、わずかの水、メタン、アンモニアと岩石でできていて、太陽系が形成されたといわれる原初の 太陽星雲と似た組成をしています。

土星の内部構造は木星のそれと似ており、岩石の核、 液体金属水素の層、分子水素の層からなっています。微量の種々の 氷も存在します。

土星の内部は熱く(核で12000K)、土星は太陽から受ける以上のエネルギーを宇宙に放出しています。このよけいなエネルギーは、木星と同じように ケルビン-ヘルムホルツ機構によって発生しています。しかし、それだけでは土星の光度を説明するには不十分かもしれません;なにかさらに別のメカニズム(機構)、おそらくは土星の深部で、ヘリウムの雨が降るとき、他の物質との摩擦が働いているのかもしれません。

[[&ref(sathst.jpg,nolink);:http://oposite.stsci.edu/pubinfo/PR/94/53.html]]木星でははっきりとしている表面の帯も、土星ではずっとぼんやりしています(写真2)。帯は、赤道付近では両極付近に比べてずっと幅が広くなっています。雲の頂上部分の詳細は地球からは見えないので、宇宙探査機 ボイジャーが土星に接近して初めて、表面の大気循リングが研究できました。土星もまた、木星の様な、寿命の長い楕円やその他の形を持っています。1990年に、 ハッブル望遠鏡が土星の赤道付近に、ボイジャーの接近の頃にはなかった大きな白い雲の塊(かたまり)を発見しました; 1994年には、別のやや小さい嵐が観察されています。 [[&ref(redcloud.gif,nolink);:http://pds.jpl.nasa.gov/planets/captions/saturn/redcloud.htm]]

よく目立つリング(AとB)と、薄く見えるリング(C)が地球から見えます。AとBの間のすきまはカッシーニ&ruby(くうげき){空隙};として知られています;Aリングの中にある、もっと薄い隙間は エンケ空隙のとして知られています(写真13)。宇宙探査機ボイジャーの写真はほかにも4つの薄いリングを示しています。土星のリングは、ほかの惑星のリングと異なり、大変明るいものです(アルベド値0.2~0.6)。

地球からはつながって見えますが、リングは実際は大きさが1センチメートルから数メートルにわたる小さな塊からなっています。大きさが数キロメートルのものもあるようです。

土星のリングは非常に薄いです:直径は250,000km以上もありますが、厚さはせいぜい1kmぐらいしかありません。印象的な見かけとはうらはらに、リングには非常に小さな物質があるだけです 。―― もしリングの物質を一つの塊に固めてしまったら、直径はせいぜい100km程度にしかならないでしょう。

リングを作っている塊は、主に水性の氷と思われますが、あるいは表面が氷に覆われた岩石もあるかもしれません。

[[&ref(satring.gif,nolink);:http://www.solarviews.com/cap/sat/satring.htm]]宇宙探査機ボイジャーは、「スポーク」と呼ばれる、リングの上の放射状の不思議なまだらが実際に存在することを確認しました(写真13)。スポークは最初にアマチュア天文学者が観測の報告をしていたものです。その性質は謎ですが、土星の磁場と関係があるのかもしれません。

土星の一番外側のFリングは、二本の細く、明るいリングが編み合わされ、それに沿って「結び目」が見られる、複雑な構造をしています(写真14)。結び目は、リングの物質が固まったものか、あるいは小さな衛星ではないかと科学者は推測しています。

土星の衛星とリングの間には、潮汐力による複雑な 共鳴現象があります:「羊飼い衛星(シェパード衛星)」と呼ばれるいくつかの月(すなわち アトラス、 プロメテウス、 パンドラ)は、明らかにリングをその形に固定しておくのに重要な役割があります。 ミマスはカッシーニの空隙に物質が少ないことの原因となっていて、それはちょうど小惑星帯の カークウッド間隙と似たようなものです; パンはエンケ間隙の内部にあります。全体の系は非常に複雑で、まだほとんど解明されていません。[[カッシーニからの画像:http://saturn.jpl.nasa.gov/cgi-bin/gs2.cgi?path=../multimedia/images/rings/images/SOI7.jpg&type=image]]で明らかになるかもしれません。[[&ref(fring.gif,nolink);:http://pds.jpl.nasa.gov/planets/captions/saturn/fring.htm]]

土星(やその他の木星型惑星)のリングの起源は不明です。これらの惑星は、発生当初からリングを持っていたかもしれませんが、リングのシステムは不安定で、なにか現在進行中のプロセスで補給されなくてはなりません。おそらくそれは、より大きな衛星の崩壊によるものと思わます。

[[&ref(tethdion.gif,nolink);:http://pds.jpl.nasa.gov/planets/captions/saturn/tethdion.htm]]土星の衛星およびリング間では複雑な潮汐力の反響があります:羊飼い衛星(アトラス 、 プロメーテウス および パンドラ)はリングを守っており、ミマースは、 カッシーニの空隔中の資料の少数に責任を負うように見えます。それは小惑星体の点で カークウッド・ギャップに似ているように見えます; パーン はエンケ部門の内部で位置します。全体のシステムは非常に複雑で、貧弱に理解されます。

ほかの木星型惑星と同じように、土星もかなりの強さの磁場を持っています。

夜の空なら、土星は肉眼で容易に見ることができます。木星ほどには明るくないですが、恒星がするような「またたき」をしないので、簡単に惑星だとわかります。リングと大型の衛星は、小さな天体望遠鏡で見ることができます。空の中で土星(また他の惑星)の現在位置を示すいくつかの ウェブサイト があります。より多くの詳細でカスタマイズされた図表は、 プラネタリウム・プログラム で作成することができます。

**土星の衛星 [#g754201a]
土星には2003年までに見つけられた30の名前の付けられた衛星があり、2004年にも2つの新しい衛星を確認しています。他のどの惑星よりも多いです。まだ発見されていない、より小さな衛星がいくつかある可能性も十分です。

-自転周期が知られている衛星では、フェーベとヒペリオン以外は、同期して自転しています。
-ミマスとテシス、エンケラドゥスとディオネ、タイタンとヒペリオンの3つのペアは重力の相互作用があり、互いの軌道上で安定した位置関係を保っています:ミマスの公転周期はテシスのそれのちょうど半分で、それらは1:2の 共鳴状態にあると表現されます;エンケラドゥスとディオネも1:2;タイタンとヒペリオンは3:4の共鳴状態にあります。
-最近発見された衛星http://www.ifa.hawaii.edu/%7Esheppard/satellites/
-2004年にカッシーニによって見つけられた衛星:http://spaceflightnow.com/cassini/040816newmoons.html

|~&br;衛星|~距離&br;[000 km]|~半径&br;[km]|~質量&br;[kg]|~&br;発見者|~&br;発見年|
|[[パン>Pan and Atlas]]|134|10|?|ショーウォルター|1990|
|[[アトラス>Pan and Atlas]]|138|14|?|テリル|1980|
|[[プロメテウス>Prometheus and Pandora]]|139|46|2.70e17|コリンズ|1980|
|[[パンドラ>Prometheus and Pandora]]|142|46|2.20e17|コリンズ|1980|
|[[エピメテウス>Epimetheus]]|151|57|5.60e17|ウォーカー|1980|
|[[ヤヌス>Janus]]|151|89|2.01e18|ドルフュス|1966|
|[[ミマス>Mimas]]|186|196|3.80e19|ハーシェル|1789|
|[[エンケラドゥス>Enceladus]]|238|260|8.40e19|ハーシェル|1789|
|[[テシス>Tethys, Telesto and Calypso]]|295|530|7.55e20|カッシーニ|1684|
|[[テレスト>Tethys, Telesto and Calypso]]|295|15|?|ライツェマ|1980|
|[[カリプソ>Tethys, Telesto and Calypso]]|295|13|?|パスキュ|1980|
|[[ディオネ>Dione and Helene]]|377|560|1.05e21|カッシーニ|1684|
|[[ヘレネ>Dione and Helene]]|377|16|?|ラキュ|1980|
|[[レア>Rhea]]|527|765|2.49e21|カッシーニ|1672|
|[[タイタン>Titan]]|1222|2575|1.35e23|ホイヘンス|1655|
|[[ハイペリオン>Hyperion]]|1481|143|1.77e19|ボンド|1848|
|[[イアペトゥス>Iapetus]]|3561|730|1.88e21|カッシーニ|1671|
|[[フェーベ>Phoebe]]|12952|110|4.00e18|ピカリング|1898|

***土星のリング [#l6116a67]
|~&br;リング|~内径&br;[km]|~外径&br;[km]|~距離&br;[km]|~位置|~質量&br;[kg]|
|Dリング|67,000|74,500|7,500|(リング)||
|ゲリンの空隙||||||
|Cリング|74,500|92,000|17,500|(リング)|1.1e18|
|マクスウェルの空隙|87,500|88,000|500|(空隙)||
|Bリング|92,000|117,500|25,500|(リング)|2.8e19|
|カッシーニの空隙|115,800|120,600|4,800|(空隙)||
|ホイヘンスの隙間|117,680|(なし)|285-440|(隙間)||
|Aリング|122,200|136,800|14,600|(リング)|6.2e18|
|エンケの隙間|126,430|129,940|3,500|29%-53%||
|エンケの空隙|133,410|133,740||||
|キーラの隙間|136,510|136,550||||
|Fリング|140,210||30-500|(リング)||
|Gリング|165,800|173,800|8,000|(リング)|1e7?|
|Eリング|180,000|480,000|300,000|(リング)||

(距離は土星の中心からリングの内縁まで) これは、実はいくらか誤解を招きやすい表記です。というのは、リングの物質の密度はきちんとした領域に分けられないほど変化があるからです:リングの内部でも密度に差があります;実際には空隙にまったく物質がないわけではありません;リングは完全には円形ではありません

**星とその衛星に関するもっと詳しい情報 [#j3ad0eeb]
-[[ロスアラモス国立研究所(LANL):http://www.solarviews.com/eng/saturn.htm]]から
-[[アリゾナ州立大学(ASU):http://esther.la.asu.edu/asu_tes/TES_Editor/SOLAR_SYST_TOUR/Saturn.html]]から
-[[パサデナ・ジェット推進研究所(JPL):http://pds.jpl.nasa.gov/planets/welcome/saturn.htm]]から
-[[スミソニアン協会(RPIF):http://www.nasm.edu/ceps/rpif/saturn/rpifsaturn.html]]から
-[[Stardate:http://stardate.utexas.edu/resources/ssguide/saturn.html]]から
-[[グリニッジ王立天文台(RGO):http://www.nmm.ac.uk/site/navId/00500300f00k]]から
-[[国立宇宙科学データセンター(NSSDC):http://nssdc.gsfc.nasa.gov/photo_gallery/photogallery-saturn.html]]から
-[[NASAスペースリンク:http://spacelink.msfc.nasa.gov/Instructional.Materials/Curriculum.Support/Space.Science/Our.Solar.System/Saturn/]]から
-TAMUからの[[土星でのイベント:http://www.isc.tamu.edu/%7Eastro/saturn.html]]
-[[土星のリングのシステム:http://ringmaster.arc.nasa.gov/saturn/saturn.html]]
-フィル・プラット氏の[[Bitsize Astronomy:http://www.badastronomy.com/bitesize/]]サイトからの[[リングギャップの要因:http://www.badastronomy.com/bitesize/saturnrings.html]]
-1995年~1996年の[[土星のリングの通過:http://www.jpl.nasa.gov/saturn/]]は、土星とそのリングについての多くの情報を含んでいます
-[[ボイジャーによる土星の科学的調査:http://www.solarviews.com/eng/vgrsat.htm]]のまとめ
土星のリングの通過に関する情報 と ハッブル望遠鏡の画像
-STScIからの[[土星のリングの平面交差の画像:http://oposite.stsci.edu/pubinfo/PR/95/25.html]] -WIYN観測所からの[[土星のリング平面交差:http://www.astro.indiana.edu/personnel/strom/saturn/]]
-[[土星のリングと衛星に関する歴史的背景(パサデナ・ジェット推進研究所から):http://www.jpl.nasa.gov/saturn/back.html]]
-[[土星星系に関する命名表:http://wwwflag.wr.usgs.gov/USGSFlag/Space/nomen/saturn/satusysTOC.html]]

**未解決の問題 [#e19282a8]
-土星はどのようにして内部の熱を作り出しているのでしょうか?
-リングの「スポーク」は何なのでしょうか?
-リングの起源はなんでしょうか? それが太陽系全体の起源について何を示しているのでしょうか? 土星のリングは、他の惑星のリングに比べて、なぜこのようにドラマチックなのでしょうか?
-宇宙探査機カッシーニは、2004年の7月1日に無事軌道に乗りました。カッシーニは土星およびその主な月に関する広範囲な調査に加えて(ヨーロッパ宇宙機関が製作した、ホイヘンスと呼ばれる)プローブ(探触子)を ティタンの表面に向けて落下させるでしょう。